TOEICではスピーキング力は身につかないと言われています。
この記事ではアメリカにエンジニアとして駐在している私が、実際にアメリカに来た当初どうだったかの体験談を紹介します。
アメリカに駐在が決まったときはTOEIC800点、アメリカに来てから900点を獲得しました。
まず一言でいうと、アメリカに来た当初、リスニングとスピーキングの面では800点では全く通用しませんでした。
そして、TOEIC900点をとった今でも、コミュニケーションが難しいと感じることは多々あります。
この記事では、どういったことが通用しなかったのか、またどうすればよかったかを、体験を元に紹介します。
アメリカ到着当初は、英語が全く聞き取れない
アメリカに来て一番最初に直面するのは、間違いなくリスニングです。
TOEICはリスニングのテストも含まれるため、800点持っていた私は多少の自信はありました。
しかし、現実は全く甘くなかったです。
車のレンタルすらままならない
アメリカに到着して一番最初にしたことは、車のレンタルです。
この考えが甘かったです。
予約番号を言うと、次に車の保険をどうするか?と聞かれました。
この車の保険の説明が全く分かりませんでした。
自分の会社に確認したところ、会社で保険を持っているため付けなくてよい、と言われました。
そのため保険はいらないと伝えたのですが、相手も食い下がってきて、何かをずっと説明してきて、全く聞き取れなかったのを覚えています。
最終的には、「保険はいらない」を英語で言い続けたら、相手は呆れ顔とともにキーをくれました。
携帯やインターネットの契約もスムーズにいかず
アメリカに赴任したらやることがたくさんあります。
車のレンタルの次は、携帯の契約、アパート探し、ネットの契約など盛り沢山です。
アパートの契約に関しては、同僚が付いてきてくれたため、なんとかなりましたが、携帯やネットも苦労しました。
ただ、携帯の契約とネットの契約は簡単ではありませんでした。
まずは携帯電話です。
アメリカでは、携帯の支払い携帯が2種類あります。
「Prepaid(後払い)」と「Post Paid(前払い)」です。
基本的にはPost paidにしたほうがいい、と同僚に言われていたため、これを携帯ショップで伝えSIMを購入を試みました。
しかし、アメリカは信用社会なので、始めからアメリカに来たばかりのクレジットヒストリーのない人間には後払いはさせてもらえず、結局プリペイドしか申し込めませんでした。
という一連の流れを、英語でやらなければいけません。
クレジットヒストリーという文化すら知らない私には、全く何を言っているのか分からず、言われるがままにプリペイドになっていたという感じです。
インターネットも同様に難しかったです。
ネットの場合、契約をすると電話がかかってきて、日程や時間を聞かれます。
一見簡単そうですが、これがすこぶる難しいです。
私の場合は、なんとか相手の日付と時間を聞き取れたので、私の方から繰り返し確認し事なきを得ました。
これ以外にも、始めてのレストランや家の水道の修理など、「聞き取れない」「話せない」ことが多々ありました。
このように、TOEIC800点では全く通用しないことを実感ました。
仕事ではどうか?
仕事においては、TOEIC800点の英語力でも十分に適応できました。
メールやチャットは対応可能
私はエンジニアという職種柄、それほど会議や話す機会は多くありません。
なにか連絡を取らなければならない時は、基本的にはメールやチャット等で連絡を取る形になります。
メールやチャットであれば、文章を書く・読む力があれば問題なく仕事はできます。
もちろんわからない単語などは出てきますが、その都度調べれば問題ありません。
会話は難しいが問題ない
一方で、エンジニアとはいえ会話をして説明をしないといけない場面があります。
会話をして説明をする場面では、当初は全く説明ができず理解もしてもらえず、また相手の言いたいことも分からず自分の英語力のなさを痛感していました。
しかし、意外にもこういった仕事上の話は、正直なんとかなりました。
仕事の内容だと、同僚のエンジニアなので分からなければ何回でも聞き直し、文字におこしてもらうことで理解できました。
また、説明が上手くいかなければ、絵などを描いて説明すれば問題ありませんでした。
どの仕事にも言えることですが、仕事で大事なのは英語力よりも専門知識です。
エンジニアという職が特殊ではありますが、仕事上では困ることはあまりなかった印象です。
TOEIC900点獲得後は通用した?
赴任から1年経った時にTOEICの勉強を再開し、そこから半年でTOEIC900点を獲得しました。
TOEIC900点を獲得し、赴任から2年半たった今では、ある程度の会話やコミュニケーションを取ることができます。
しかし、これはTOEIC900点を取ったからではなく、会話の練習を繰り返していたからだと思っています。
具体的には、アメリカのドラマ「Friends」を観て、音読やシャドーイングを繰り返したり、オンライン英会話等で会話の練習をしました。
TOEIC900点は通用しない
しかしながら、今でもアメリカ人が何を言っているのか理解できないおことは多々ありますし、始めて聞くような分野のニュースは難しいです。
TOEIC900点獲得から1年経ちますが、まだまだ勉強が必要という感じです。
私の場合はTOEIC800点で赴任する形になりましたが、おそらく900点で赴任していても大きく変わってないかったのでは、と思っています。
TOEIC900点でアメリカに赴任していたとしても、海外のドラマのレベルのリスニングを聞き取れないと、いきなり会話をするのは難しいでしょう。
アメリカに来る前に何をやっておけばよかったか
アメリカに来る前にやっておいたほうがいいことは、基礎力があるかどうかで変わってくると思っています。
TOEIC600以下はまずは基礎力
TOEICを基準にすると、600点がない人はTOEIC基礎力を身につけた方が良いと思います。
具体的には単語や文法です。
TOEIC600点のための記事もありますので参考にしてみてください。
TOEIC600以上は英会話
また、TOEIC600点以上あり基礎力がある人は、間違いなく英会話の練習をしておいたほうがいいと思います。
自分で言いたいことを言えるようする訓練と、英会話でのリスニング力を鍛えるためです。
しかし、「海外のドラマのレベルのリスニングを聞き取れないと、いきなり会話をするのは難しい」とは言ったものの、私はまだこのレベルにありません。
正直なところ、アメリカのネイティブのドラマを聞き取れるようになるのはかなり難しいです。
そのため、せめて英会話でスピーキングの練習をして、自分の言いたいことは言えるレベルにしておいたほうがいいと思っています。
これには英会話の練習が最適だと思っています。
通用しなくてもTOEIC高得点は狙うべき
TOEIC800点で赴任した私のアメリカでの体験を元に、TOEIC900点では通用しないということを説明しました。
ただ、TOEIC900点は通用しないということと、900点を取る必要がないということは別物です。
日本ではTOEICが重要視されていますし、基礎力を付ける上ではTOEICの点数を上げておいてよかったと思っています。
高得点を狙う価値は十分にあります。
その後で、英会話力を鍛えればいい話です。
ぜひTOEIC900点は目指したいですね。